気になった物件を実際に見に行き、細かくお部屋をチェックする作業全体のことを「内見」あるいは「内覧」と呼びます。とは言っても、初めてお部屋探しをする方は、どこをチェックすれば良いのかわからず、何となく室内を見学しただけで終わってしまうこともあります。せっかくの機会なので、良い物件を見極めるために見逃せないチェックポイントだけでも知っておきましょう。
内見は日程に余裕を持って依頼しよう
不動産会社に訪問した当日に、いきなり内見に行くことは可能でしょうか?これは時期と物件によるとしか言えません。不動産会社が自社で管理している物件についてはある程度融通が利きますが、複数の仲介業者に入居者の募集を依頼している物件の場合は、一度内見が可能かどうかオーナーや管理会社に確認してもらう必要があり、場合によっては鍵の手配などを含めて数日かかることもあります。
とりあえず、日程に余裕を持って不動産会社に内見を依頼しましょう。ちなみに、内見を依頼する件数に特に限度はありませんが、不動産会社側としてはだいたい1度に3件くらいを目安として紹介してくれることがほとんどです。気になる物件をまとめて全部見て回りたい気持ちはあるかもしれませんが、1件ずつの印象が薄れてしまい、かえって判断が難しくなってしまうので、ぐっと我慢しましょう。だいたい内見には1ヵ所につき30分前後を見ておきます。移動時間もあるので、一日に行ける限度はだいたい3~4件くらいでしょう。
内見では部屋の外も要チェック!
部屋の中を案内してもらう前に、是非とも下記の場所についても確認しておきましょう。人にとってこだわりたいポイントはあるかと思いますが、部屋の外には特にセキュリティ面で重要なポイントがいろいろあるので、忘れずにチェックしましょう。
◎集合玄関・1階などの構造・エレベーターの設備
防犯カメラやオートロック、モニター付インターホンなどの有無をチェックします。特にセキュリティ面にこだわりたい方は、エレベーター内にも防犯カメラが設置されているかどうか、外から容易に入ってこられるような構造になっていないかも、気をつけて見てみましょう。また、玄関ドアが二重ロックか確認します。玄関の鍵がピッキングに強いディンプルキーかどうかもチェックしたいですね。
◎ゴミ置き場
マンションには多くの場合、敷地内にゴミ置き場が設けられています。その位置を確認だけでなく、管理が行き届いているか、ルールが守られているかにも注目しましょう。収集日でもないのにゴミが散乱している場合、管理体制や住人に問題があり、住んでからトラブルに巻き込まれる可能性もあるので要注意です。
◎共用設備や共有スペースの様子
郵便ボックスからは、空き室がどのくらいあるかが分かります。また、ちゃんと一つ一つに鍵がついているかどうかもチェックしておきましょう。
駐車場や駐輪場の屋根の有無や、場所も確認しましょう。人目につかない奥まった場所に設置されている場合は、盗まれたりいたずらされたりする可能性があるので注意が必要です。
ゴミ置き場と一緒で、共有スペースの様子からは管理体制や住人のマナーがわかるので、みんなが使う場所が汚れていないかどうかも確認しましょう。
部屋の中でチェックしたいポイント
ここでは、特に間取り図だけではわからない、ポイントに絞ってご紹介します。なお、内見の際には間取り図のコピーをもらっておき、気になる部分を書き込んでおくと、後から見直すときにわかりやすいです。
①収納
間取り図を見れば分かる!と見逃しがちですが、必ず現地ではクローゼットや押し入れ、棚、キッチン下などあらゆる収納の扉を開けて、中を確認しておくことをおすすめします。ぱっと見は大きく見えても、中に作り付けの棚があって大きい物が収納出来なかったり、収納だと思っていた扉がろくに中に何も入れられないような見かけだけの飾りだったりという失敗談も聞きます。また、扉がスムーズに開け閉めできるかどうか確認し、立て付けが悪いようならその場で言っておくと、あらかじめ直してもらえることもあります。
②コンセントの位置と数
家具や家電をどんなふうに配置するか、具体的にイメージしながら、コンセントの位置と数を確認し、間取り図にメモしておきましょう。特に洗濯機や冷蔵庫などの大型家電は、設置できる場所が限られているので、どこに置くのか、設置した場合に何か問題はなさそうかチェックしておきましょう。
また、備え付けでない場合は、自分でエアコンを設置して使う場合に、使えるコンセントがちゃんと部屋の上の方にあるかどうかも確認しておく必要があります。
③窓や扉
スムーズに開け閉めできるかどうか、網戸に穴はないか、窓に結露はないかなど、気になる部分がないかチェックしておきましょう。窓を開けたとき、閉めたときで外の音の変化も気になるところです。電車や車、工事現場の音など、外の音がどのくらい聞こえるかを確認しておきましょう。窓を閉めているときは静かでも、開けたときに外の騒音が気になるようであれば、夏場など窓を開けることが多い季節に困ることになります。
④壁などの防音性
鉄骨造や木造の場合は、壁の構造上、ある程度の音は仕方ありませんが、それらより防音性に優れているといわれる鉄筋コンクリート製の建物でも、隣の部屋の生活音が聞こえるような部屋だと、騒音トラブルが発生しやすいので気をつけましょう。
また、その時間帯には隣人が留守で分からないケースもあります。隣人や入居者の様子を営業マンに聞いておきましょう。小さい子供のいる家庭や外国人が多い物件だと、騒音トラブルにつながる可能性があります。また、あなたが社会人であれば、学生が多い物件も避けたほうがいいでしょう。夜勤をする人も生活スタイルの違いを考慮しておきたいです。基本的には、同じような生活スタイルの入居者が多いほど、住みやすいと言えるでしょう。
さいごに
あと、意外と忘れがちなのが、携帯やスマートフォンの電波の受信状況です。鉄筋コンクリート造のマンションや、高層の建物に囲まれている物件は、携帯電話などの電波が届きにくいと言われています。部屋によって電波の強さも変わるので、部屋の色んな場所で電波の受信状況を確認しておきましょう。