この部屋に住みたい!と思える部屋が見つかったら、いよいよ入居申し込みをし、その後、契約という流れになります。少々難しいことは多いですが、交渉や契約書のやり取り、お金の支払いなど、とても重要なステップです。
今回は賃貸物件の契約をスムーズに進めるために、知っておくと得するチェックポイントや詳しい手続きの流れについて紹介します。
契約前提なら、入居申し込み直前が交渉のチャンス!
内覧を終えて、気に入った物件が見つかれば、そのまま入居申し込み、契約という流れになりますが、もしも何か交渉したいことがあれば、このタイミングになります。申し込み後の交渉は厳禁なので注意しましょう。
人気物件ほどほとんど交渉は通りにくいですが、契約が前提であればある程度なら話を聞いてくれるというケースもあります。下記で交渉のパターンをご紹介していますが、もしいずれかの条件を聞き入れてもらえたからと、あれもこれもと欲張るのは禁物です。交渉内容は必ず1つに絞りましょう。また、他の部屋と迷っている時点では、まだ交渉してはいけません。なおかつ、交渉するときはあくまで下手に出ましょう。入居審査では人柄も見られます。高圧的な態度や、横暴な言葉遣いをすると、そもそも貸主側から、「こんな人には貸したくない」と判断されてしまうので気をつけてください。
≪交渉のパターン≫
①家賃
例:「とても気に入ったのですが、家賃が少し予算オーバーなので、〇万円台になりませんか?」など。
→家賃の場合、他の既に入居している住人の手前もあってあまり値下げには乗り気で無い貸主も多いが、空き部屋を多く抱えている場合は少々値下げしてもよいから入居をして欲しいというケースもあります。ただ値下げはだいたい2~3千円くらいが妥当です。あまりに大幅な家賃値下げを要求すると、貸主や不動産会社から常識の無いと敬遠されるので気をつけましょう。
②礼金
例「礼金無しの他の物件と迷っていて、もしこちらの礼金を無しにして頂けるならすぐにでも決めたいのですが、難しいでしょうか?」
→家賃に比べて礼金の方が交渉の成功率は高いです。そもそも礼金は法律上で支払わないといけないという義務はありませんし、貸主側にとっては、入居時に一度だけ貰える礼金よりも、毎月貰える家賃のほうを重要視しています。礼金を無くしてでも、長く住んで家賃をずっと貰える方が貸主としてはありがたいからです。
③内装の修繕・設備
例1:「部屋の壁の傷が気になるのですが、そこを直してもらえるなら・・・」
例2:「エアコンを付けてもらえませんか?」
→お金の面での交渉が上手くいかなくても、内装や設備の面なら対応してもらえることもあります。
いずれにしても、もし交渉して受け入れてもらえた場合は、必ず申し込み・契約を行うことが条件となります。交渉した上でのキャンセルは、真摯に対応してくれようとしている不動産会社や大家さんにとって迷惑となりますので、まだ他の部屋と目移りしているような軽い気持ちで行わないようにしましょう。
なお、不動産会社でいう繁忙期(部屋探しの多い1月~3月)には、交渉条件のない他の希望者が優先されることが多いので気をつけましょう。もし、お部屋探しの時期を選べるのであれば、5月中旬~8月くらいが交渉しやすい時期になります。
入居申し込みに必要なものと「申込金」について
一般的に、入居の申し込み時には、契約者本人の身分証(運転免許証や保険証)と収入証明、連帯保証人の身分証のコピーが必要となります。特に収入証明は、給与明細ではNGというところも多く、勤務先などに発行をお願いしないといけないケースがほとんどです。課税証明、住民税の通知決定など公的なものでないと認めないというケースもあるので、あらかじめ何が必要か不動産会社に確認して、早めに準備しておくとよいでしょう。発行に時間がかかるものもあるので、書類を用意している間に他の入居希望者に先を越されてしまうこともあります。なるべくお部屋探しを始める段階から準備しておくことをオススメします。
また、入居申し込みをする段階で、「他の入居希望者に先を越されないように、家賃1か月分を先に預けてください」など、お金を請求されたら注意しましょう。基本的には契約より前にお金を支払う必要はありません。
ただし例外的に、申込金が必要となるのは、以下の場合です。
①入居の予定が、1ヶ月以上先の場合
申し込みの時点でまだ建築中の新築物件だったり、まだその部屋の住人が退去前だったりする場合は、申込金が必要となります。
②管理会社や貸主の意向
入居がそれほど先でもなくても、管理会社の方針で申込金が必要と言われるケースです。どうしても契約前にお金を預けるのを避けたい場合は、他の管理会社や貸主の物件を当たった方がよいかもしれません。
上記のいずれかの理由で、申込金を預けることになったら、あくまでも一時的に預けるだけの金銭であることを確認の上、預かり証を発行してもらいましょう。
入居審査後、契約に向けて準備しておくものや、確認しておきたいポイントは?
無事に入居審査を終えた後は、必要に応じて契約条件を調整します。その後、契約内容や物件に関する確認を行った上で、契約という流れになります。一般的には入居審査後1週間~10日前後で契約準備を整え、契約を結ぶことが多いようです。
それまでの間に、以下のポイントについて確認・準備しておきましょう。
①契約金について
・契約金(初期費用等)を明細書などにより確認し、準備する。
・それぞれの費用の支払い期日や支払いの方法も確認する(契約金はかなり大金なので直接手渡しでは無く、指定の口座に振り込みが必要なことも多い。その場合、契約日当日では無く前日までに入金しないといけないこともあるので注意)。
②契約時に必要な書類について
・契約手続きにどんな書類が必要か確認する(契約の内容や不動産会社、貸主の対応によって必要書類が異なるため)。
・必要書類を提出する期日を確認する。
例【一般的に契約時に必要となる書類】
・契約者の住民票(本人のものだけでよいか、入居者全員の記載があるものが必要かをあらかじめ確認しておきましょう)、印鑑(認め印)、連帯保証人の住民票、収入証明書、印鑑証明書、実印など
・その他
③契約日当日について
【確認しておくポイント】
・契約日
・契約場所
・当日持参する書類など
・契約時の連帯保証人の立ち会いが必要か否か
さいごに
契約時に連帯保証人の立ち会いが必要な場合は、あらかじめスケジュールを聞いておいた方がスムーズです。また、立ち会わない場合でも連帯保証人の住民票・印鑑証明書、収入証明書などの書類が必要となるので、あらかじめ準備して頂くように、忘れずお願いしておきましょう。