契約前に気をつけて!賃貸借契約書でチェックすべき3つのポイント

不動産の賃貸借契約(アパート・マンションを借りて入居する等)は、クーリングオフできないというのはご存じですか?入居してから「こんなはずじゃ無かった!」という問題が起きても、事前に重要事項の説明を受けた内容や、賃貸借契約書に書かれていた内容であれば、印鑑を押した時点で、あなたはそれを認めていたことになります。

賃貸借契約書は何が書いてあるのかぱっと見て分かりづらい部分が多いかと思います。ついつい流し読みしてしまいたくなりますが、後で悔やむことのないように、あらかじめ特に重要なポイントだけでもしっかりとチェックするようにしましょう。

契約の更新や解約に関する条項は細かくチェックしよう!

①契約の更新について

賃貸借物件の契約期間は2年としているところが多いようです。定期借家契約などの特約が無い限りは、更新の手続きが必要になります。

一般的には契約満了日の約1~2ヶ月前までに契約者(借主)へ、契約更新をするか否かを通知することになっています。

【契約更新料】

契約更新時に賃借人が家主に対して契約更新料の支払いを必要とする場合があります。これは地域や貸借人によって金額が異なり、目安としては賃料の1~2ヶ月分くらいです。家賃がとても安いと思っていたのに実は更新料が相場より高く、数年間で比較すると、家賃がやや高くて更新料の安い物件の方が総額は安かったというケースもあるので、よく検討しましょう。

【更新事務費】

こちらは契約更新時に貸借人(借主)が不動産会社に対して支払う金銭のことで、契約更新料と同じく、不動産会社によって金額は異なります。更新事務費が無料のところもあれば、賃料の1ヶ月分というところもあります。

②解約について

契約更新の時期までに貸借人(借主)が契約を解除し、アパートやマンションを退去する場合に関係する条項です。一般的には、退去する1ヶ月以上前に書面で予告することになっています。また、予告が遅れた場合は賃料1ヶ月分相当額を支払う必要がある、などのペナルティが書かれていたりします。

よくあるトラブルとして、書面で退去予告しなければいけないところを、電話やメールのみの連絡で済ませて手続きした気になり、賃料1ヶ月分相当額の支払い義務が生じてしまった等のケースがあります。

契約書には、予告の手段と時期、予告が遅れた場合や予告をしなかった場合のペナルティについて書かれているため、しっかりと目を通しておきましょう。

敷金は戻ってくる?気になる場合はここをチェック!

敷金などが必要な場合、その金額や返還に関する具体的な手続きについて書かれている部分をチェックしておきましょう。特に退去時に敷金の返金や原状回復に関する取り決めの部分について、双方の解釈が合わずにトラブルになることはよくあります。入居者は退去時に「原状回復」することが義務づけられていますが、国土交通省が定めているガイドラインでは、「原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではない」と規定されており、一般的に経年変化や、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとされています。一方で、賃貸者(借主)が負担するのは、入居中に不注意や過失で生じたり、手入れを怠ったり、故障を放置したことで発生・拡大した傷や汚れについてと決められています。
退去時の原状回復費用の分担や条件について書かれている部分があれば、おかしな部分がないか、よく読んでおきましょう。

【敷金償却〇ヶ月分という記載があった場合】

いわゆる「敷引き」とも呼ばれる慣習で、関西や中部地方の物件に多く見られます。例えば敷金が家賃3ヶ月分(家賃が10万だとすると30万)で敷金償却1ヶ月となっていた場合、退去時にどんなに部屋がきれいな状態であったとしても、30万円のうち10万円(敷金1ヶ月分)は返還されません。また、部屋をとても汚く使ってしまい、原状回復費が「敷引き」よりも高くついてしまった場合は、残りの20万円からも差し引かれます。

特約事項は絶対に見落とさないで

契約書で最も重要で、かつ注意が必要なのが「特約事項」です。

基本的に賃貸者(家主)に有利になるような記載になっており、例えば「原状回復にかかわるすべての費用は貸借人の負担とする」のように、一方的に貸借人(借主)に不利な条項が記載されている場合もありますので、よく確認しておきましょう。

また、他の条文に書かれていることが、この「特約事項」に書かれた内容によって無効にされることもあるので注意が必要です。

そのほか、鍵の交換費用やハウスクリーニング費用が、貸借人(借主)側の負担となっていることも少なくありません。これらは契約前であれば、こちらで負担しなくて良いように交渉することも可能です。

さいごに

最初にご説明したように賃貸の契約成立後はクーリングオフ制度の適用外なので、キャンセルする場合は途中解約による違約金やキャンセル料などが発生してしまいます。不動産会社の重要事項の説明の際にはきちんとメモを取り、よく分からない点については必ず確認しておきましょう。また、契約書に書かれていることについても、いざというときに知らなかったでは済まされないので、契約前にコピーを1部もらってよく読んでみるなどして、印鑑を押す前にしっかりと内容をチェックしておきましょうね。

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